●地域医療を守る ― 健康な暮らしと安心できる地域医療体制の構築を
医療介護総合確保推進法によって「地域医療構想」が制度化され、当該制度は、限りある医療資源の効率的な運用と増え続ける医療費の抑制を目的に、地域における余剰または不足する医療機能を明らかにして適切な医療体制の構築を目指していますが、多くの地域で医療規模の縮小が必要となることが明らかになり、日本の病院の特徴であった「全国一律な医療サービス」が困難な状況にあるとされました。また医師、看護師、介護士等医療従事者の成り手不足が大きな課題となっています。病院再編や規模縮小は、患者サービスの低下や緊急対応能力の低下に繋がる恐れがあり、同時に医療従事者の成り手不足を解消するため、関係機関と連携しながら地域課題の解決に資する、安心できる地域医療体制となるよう、提言してまいります。
●インフラ整備と老朽化した社会インフラへの適切な補修
インフラとは、我々の生活や産業を支える基盤のことであり生活に無くてはならないものです。とりわけ産業発展の基盤である交通網の整備は、経済が豊かになり、多くの人々の生活を豊かにします。国道、県道、市町道と名神名阪連絡道の効果的な接続の実現に向けて使命感をもって推進してまいります。
また高度経済成長期に整備された道路、橋梁、河川、水道管など社会インフラの老朽化の波が一気に押し寄せ、住民の安心・安全な暮らしを脅かしかねない状況となっています。社会インフラは適切に補修・修繕を行い、機能維持を図ることが望ましく、それに必要な予算の確保に努めてまいります。
●教育の機会均等を目指して
憲法や教育基本法では、社会的地位や性別、居住地域に縛られず、教育を受ける機会を平等に保障するとされていますが、現実には、都市と地方では、最終学歴や子どもたちの学習の選択肢に格差があります。この教育格差を解消するには、教育のあり方を変えていくことだと思います。例えば、教育現場への学習支援員の配置やICTの活用など教育の機会均等を補う支援を地方に厚くするべきだと考えます。困難な課題ですが、日々研鑽してまいります。
●魅力ある農業づくりと後継者育成
農業を担う滋賀県の農家数は、この20年で半減し、しかも農業者の平均年齢は66.5歳と高齢化が進み、後継者育成が喫緊の課題となっています。後継者不足の主な要因は、農業経営の収益性が低くなったこと、農村集落に後継者となる若者が少なくなったことが考えられます。農業は国民の食糧を生産する重要な産業であり、滋賀県では観光業とともに重要な基幹産業として位置づけられています。滋賀の農業を、収益性の高い、魅力ある産業にし、意欲ある担い手がより多く出てくるよう、国、県、市町と連携しながら対応策を講じてまいります。
●物価高と困窮世帯等への生活支援
経済がグローバル化し、原油や原材料価格の高騰に賃金水準が追い付かない中、子育て世代や年金受給者、低所得世帯等にとって物価高が負担となり、生活を圧迫している状況が見受けられます。誰もが安心して生活できるよう、地域振興券の発行や学校給食費支援など地方行政の生活支援の取組を推進し、行政サービスの簡素化や効率化により生じた経費削減を、これらの生活支援に廻すなど地域住民への還元を図ってまいりたいと考えています。
●商業と観光の活性化により豊かで潤いのある滋賀を
滋賀県は、古くから交通の要衝であったことから歴史的な史跡も数多く存在し、神社仏閣などの歴史資産や祭りなど伝統的な文化資産がたくさんあります。これらの観光資源を活用しない手はないと思います。また戦国時代に楽市楽座の自由商業主義のもと商工業が盛んになり城下町や商人町、職人町が形成され、近江商人の基盤が作られてきました。江戸時代は、近江商人の活躍はめざましく、北は蝦夷地(北海道)から南は安南(ベトナム)、シャム(タイ)まで活躍し、東北、関東まで天秤棒を担いで行商し日本各地の特産品を結び付けた商いは、近代の商社の先駆けと言われています。先人の商才(知恵や工夫)を学び、歴史的・文化的な資源を活かして商業と観光業の活性化を推進してまいりたいと考えています。商業や観光業の発展は、県民生活の利便性を高めるだけでなく豊かで潤いのある街づくりに繋がり、県民が誇れる「ふるさと滋賀」になると確信しています。
●給食費の無償化による子育て支援
学校給食法に基づき学校給食に係る費用のうち材料費は保護者負担とされているものの、地方自治体の負担を制約したものではありません。小中学校の授業料は無料ですが、給食費用は各家庭の負担となっており、家庭によっては家計を圧迫することに繋がっています。子どもの健やかな成長のために必要な給食費用を無償化する自治体が増えてきています。また政府は、子どもの権利を保障し、誰一人取り残さずに子どもの健やかな成長を社会全体で後押しする「こどもまんなか社会」を推進し、少子化対策として給食費の無償化を提起しています。給食費の無償化には地方自治体の財政負担が伴うことからより安価な給食を提供できる給食センターの設置など学校給食運営の効率化を図るとともに、国、県等からの市町への財政支援が必要であると考えています。
●防災と減災による被害の最小化を目指す
日本は、地理的な環境要因から地震、噴火、水害など自然災害が多く発生し、近年では、毎年のように水害に見舞われ、これが常態化するとも言われています。被害を最小限に食い止めるには、川の氾濫を防ぐための堤防を設置するなどの災害を予防する防災対策だけでは不十分で、災害を想定した食糧の備蓄や防災用品の事前準備に加えて、消防など行政が行う「公助」、自身を守る「自助」、地域で助け合う「共助」のそれぞれが機能し連携する体制づくりが重要であり、避難訓練や防災マップの周知徹底など日頃からの住民意識の向上などの減災対策が欠かせなくなっています。被害を最小限にするための防災・減災の必要性を今後も提唱し、河川改修など防災対策の予算確保に努めてまいります。